5月号「産業医としての第一歩を踏み出そう」

 

 今回は、2022年6月11日から12日までパシフィコ横浜およびオンラインで開催されます「第13回日本プライマリ・ケア連合学会総会」における当ワーキンググループによるインタレストグループEについてご紹介させていただきます。プライマリ・ケア医(家庭医)の産業保健としての活動や、産業保健の視点を持った診療は、今回のJPCA総会のテーマである「今、プライマリ・ケアの真の価値を考える~さまざまな立場・環境をつないで~」というものに通じるものがあると思います。

 

 当グループでは「産業医としての第一歩を踏み出そう」と題しまして、基本的な産業医活動である3つのテーマについて取り上げています。

 

 

 いずれも基本的な産業医活動です。ところが、こうした基本的な産業医活動において臨床医と産業医との間のギャップから、現場ではしばしば混乱が起こります。この混乱を防ぐために、何に着目し、どのように考え、取り組んでいけばいいのか、産業保健の現場経験の長い産業医・保健師・家庭医が、それぞれの視点から現状と課題を伝え、皆様にお伝えする内容となっております。

 

 上記3つのテーマにおいて、現場で混乱を招く課題は以下のようなものがあります。

 

1.健康診断

 臨床医が「就業制限基準」について考慮することなく、健康診断個人票に「通常勤務可」と書いてしまうことがあります。通常、勤務に関する意見を述べるのは、職場や職務内容をよく知っている医師による意見を要し、産業医が記載するのが一般的です。

 

2.復職支援

 復職支援では、主治医と産業医との間で「労働者の健康状態」に対する基本的なズレが混乱を招くことがあります。臨床家にとっての回復は「日常生活が問題なくおくれているか」という点に焦点がありますが、産業医にとっての回復は「規則的な生活リズムが回復し、仕事ができる状態になっているか」という点に焦点があります。

 

3.職場巡視

職場巡視では、

①そもそも職場巡視の目的は何か?

②誰と巡視するのか?

③法律によって定められた巡視の頻度や形式は?

④どのようなことを見ていけばよいか?

 これらの4つの視点が巡視時点で頭に入っていることが大切です。これら4つの点についてよく知らずに巡視に行ってしまいますと、せっかく職場を訪問しても何をすればいいかわからないままに時間が過ぎてしまうということもあります。

 

 1つでも気になる項目がありましたら、第13回JPCA総会のインタレストグループEのオンデマンド配信をぜひ、ご視聴ください。

                         

                        2022年5月

                        安藤 明美