12月号「連携の重要性と困難さについて」

 

 今月の配信を担当します田中千恵美と申します。4人のワーキングメンバーの中で唯一の看護職(保健師)です。詳細はメンバー紹介を参照いただきたいのですが、今までに臨床、地域保健そして産業保健分野を経験してきました。

 

 今回は、多職種との連携について書かせていただきます。

 私は、キャリアのほとんどを保健師として活動してきました。保健師は「名称独占」であり、その活動のひとつとして様々な方々を「つなぐ」役割であると思っています。どのような職種であれ、ひとつの職種やひとりの支援者がどんなにスキルが高く、たくさんの仕事をこなせるとしても対象者への支援には限界があります。多くの方々と連携を図ることが、対象者の満足度を上げることができるのです。

 

 とはいえ、その連携がスムーズにいかないことも少なくありません。介護の現場などでも“看護職”と“福祉職”の連携の難しさなどをよく相談されます。それはなぜなのか、私の私見ですが、それぞれの専門職の教育課程がちがいます。そのちがいを専門職間で共有するのが難しいということが大きな要因のひとつではないかと思っています。

 

 医師同士や看護師同士の場合は、教育を受けた学校や時期が違っていても教育課程が概ね同じであれば「概念の統一化」ができていて、おなじ土俵で考えを共有することがある程度可能です。しかし、他の職種では養成課程でのカリキュラムがちがうと「概念の統一化」が困難な場合があります。私は看護職でありながら介護福祉士養成の大学等で非常勤講師をしていますが、カリキュラムがかなり違うことに以前はとても驚きました。

 

 一例をあげますと、介護職が医療的ケアを実施する以前は、「不潔か不潔でないか」という概念しか学びませんでした。現場で看護師の前で不潔になった攝子を清潔な攝子立にもどそうとした介護職に「あー!不潔よ!」と看護師が大きな声で叫びました。介護職は「不潔」の意味を十分に飲み込めず、多くの職員の前でいじめられたと勘違いしたそうです。

 

 連携を図るということはかなり丁寧に手間や時間をかけ、そしてあるときはダイナミックに展開していく必要があると思います。

 

 看護職からみる医師との連携について(全く別の組織に所属している場合)、コメディカルスタッフは先生方が思われる以上に、医師に連絡をとることに気を遣うことが多いものです。例えば、介護保険などで主治医意見書についての質問や、ケアカンファレンス等の連絡をとりたいときなど、連絡を取る方法や日時について思案します。

 

 医師の方からは「なぜ必要な連絡が滞るのか」と思われる場合もあるかと思います。事前に連絡方法(電話、メール、ファックスなど)や比較的望ましい曜日や時間などを申し合わせておくなど、双方が少し工夫をするだけで違ってくるのではないかと思います。

 

 医師の方からも、必要と思われた場合は、気兼ねなくアプローチをしていただけると、コメディカルスタッフは安心する場合が多いと思います。

 

                        2022年12月 

                        田中 千恵美